純愛恋桜
「おい、そこに隠れている奴
出てきやがれ!」
”副長”と呼ばれた男は桜木に
いや、零と千秋に声を掛ける。
その言葉に震えて動けない千秋の代わりに、零が答える。
「桜木の後ろに人なんていないよ!
僕は桜木の妖精さ!誰もいないから斬らないで!!」
とっさに出てきた出まかせの言葉
この言葉に千明も、言った本人の零も驚いていた・・・
こんなふざけた真似、絶対に斬られると思っていた。
しかし、零の言葉に
先ほど人を斬ったであろう青年が答えた。
「へぇ、やっぱりこんな大木の桜になると妖精が宿るんですね・・・」
「おい!総司っ・・・!!」
そんな青年に副長と呼ばれた男が声を掛けるが
青年は「大丈夫ですよ」と言わんばかりに
彼に笑いかけ言葉を遮った
その一方零たちは思わぬ対応に、更に驚いていた
そのおかげか千秋の震えも止まっていた。