純愛恋桜
男たちの目の前には
本当に桜木の妖精のように
月明かりに照らされ、桜舞い散る中
妖艶で綺麗な
二人の少女の姿が現れた。
一人の少女は
髪の色素が薄いのか、うす茶色の短い髪に
少し垂れた栗色の大きな瞳
そしてぽってりとした赤い唇
千秋である。
もう一人は
対照的な真っ黒の長い髪に
つり目の漆黒の大きな瞳
そして白い肌に咲く梅色の唇
それが零。
そんな対照的な二人に男たちは
瞳も心も釘付けになってしまった。
「・・・こんな人見たことがない」
一人の男がそう漏らした
そこに居た誰もがそう思い息を飲んだであろう
しかし、そんな中でも一人の男が沈黙を破った。
「お前ら何者だ?」