純愛恋桜
「じゃぁ、お前ら一列に並んで~
そっから一組から入場だから
お前ら最後くらいちゃんとついていけよー」
教室前の廊下にて
中年の男性担任がいつものように気だるげに指示を出す
卒業式の日くらい何か変わると思いきや
担任もクラスメイトも何一つ変わることなく
いつもの日常が流れていく
そんな中いつものアホ面とは違って
千秋のような仏頂面をしている女子生徒が一人。
「つまんない。」
零である。
卒業式に何を期待したのか
零はいつもと変わらない周りの様子が気に食わないらしい
「あんたさー、顔だけはいいんだからその顔やめなさいよ
いま凄く不細工よ?」
「秋ちゃん!不細工なのは当たり前だよ!
変顔百面相に挑戦してたところだからね!」
千明は、零の発言に馬鹿馬鹿しいとばかりにため息をつく。
これもいつものこと
いつもと変わらない日常
「こんなのつまんないよ」