純愛恋桜
「全く、豊玉さんは往生際が悪いですね」
黙っていた沖田が呆れながら言う相手は
先ほどまで青ざめていた副長だ。
「うっせぇ!総司!
その名で呼ぶんじゃねぇよ!
俺の名は”土方 歳三”だっ!!」
「・・・っ!」
(・・・やっぱり)
その自分を”土方 歳三”だと名乗る男に
零はぴくりと反応した。
そんな零をよそに、話はどんどんと進んでいく
「とにかく・・・だ!
俺はそれだけじゃ納得できねぇ
こんな怪しい奴だ
どっかで内通してるかも知んねぇだろ?」
「それもそうですねぇ・・・」
土方の意見に賛同してきた男が一人。
どの男は真面目そうで
土方とは真逆の優しい雰囲気をしている
その男は微笑みながら零へ問いかける
「他に何か証明できる出来事があると
より一層
私たちも、貴女たちを信じてあげられるんですがね・・・
なにかありませんか?」