純愛恋桜


「んー、確かこの辺に隠したはずなんだよねー」


埃をかぶった古い木箱の中をガサゴソと何かを漁る零


どうやら、何か大切なものを取りに来たようだ。




「あ!
あった!あったよ秋ちゃん!」


満面の笑みでそれを掲げる零を
いつもの呆れ顔で見る千秋・・・




「あんた・・・
そんなもんの為にこんなとこまで来てたの?」



「え!?
何言ってるの秋ちゃん!
この本は見た目ボロ雑巾みたいに汚いけど

あの!
新選組にまつわる大切な書物なんだよ?」




零はそのボロ雑巾のように汚い書物を
大事そうに抱えながら千秋に訴える。



新選組の名を聞いたとたん

千秋は「やっぱりか・・・」と言いながらため息をつく



零は何を隠そう
新選組限定の歴女なのである


新選組の話になると見境がなくなる

よく周りを見渡せば、新選組にまつわる本ばかり散らばっている




「で?なんでそんな大切な書物をあんたが隠してたわけ?」



千秋の問いに零は満面の笑みで答える。


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