純愛恋桜

零はその手を取りながら不貞腐れた顔で呟く

「・・・私、初めて負けました
やっぱり沖田さんは強いですけど、手加減されたうえで負けたのがすごく悔しいです。」


そんな零の言葉を聞き沖田も呟く


「最初はそのつもりだったんですけどね・・・」


「・・・え」

少し驚いたような顔で見上げてくる零に、沖田はにっこりと微笑みながら言う。



「最初は女子だからと手加減していました

でも、貴女の目と竹刀はそうはさせてくれませんでした


貴女は本当に強いです
私も本気を出していなかったら本当に負けていたかもしれないと思うほどに・・・」


「・・・沖田さん」

ただの気遣いからでた言葉かもしれない・・・
でも、私はその言葉で救われた

初めて味わった敗北
だけど、沖田さんは本気で戦ってくれた

そのことがすごく嬉しくて
心が暖かくなった。


「沖田さん!」

「ん?」

「ありがとうございました!」

零は沖田に頭を下げて、精一杯の感謝の言葉を言った。
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