狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅢ―ⅲ <革命の王>と<雷帝>の名
「いや…いい、隠すことでもないからな」
一度目を閉じたエデン王の瞳が開かれると、力強い琥珀色の瞳が悲し気に揺れていた。
「<雷帝>っていう呼び名は俺の…いや、俺達の永遠の恋人がそう呼んでいるんだ」
「恋人…?」
王が特別な異性をつくらないのが当たり前だと思っていたアレスたちは、少なからず大きな衝撃を受けた。そして彼の言い方も気になる。
(俺達の…って、他の王たちにとってもそうなのだろうか…?それとも雷の国の民にとっての…?)
先を聞きたいのは山々だが、痛い程のブラスト教官の厳しい眼差しを感じる。
「教官…」
「…アレス、もうこの話はするな」
小さく頷いたアレスはエデンにお礼を言い頭を下げ、後ろに下がる。偉大な雷の王は機嫌を損ねたわけではないが、それから彼の瞳が晴れることはなく…何かがあった事だけはわかった。しかもそれがエデン王にとってとても重大なことであると…