狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

ⅩⅢ―ⅶ 小さな芽


(ブラスト教官はきっと答えてくださらない。ガーラント先生なら何か知っているだろうか…)

任務を無事終えた一行は、帰路へ着くため今度はカイを先頭に、アレスは手にしていた加護の灯を彼へとそっと渡す。そして普段使者では知りえない王の謎に触れてしまったアレス。

加護の灯を掲げエデンの言葉を胸に力強く悠久の門を目指して歩き出す小さな剣士と、いくつかの王への疑問と謎に遠くを見つめる小さな魔導師。


(やり遂げてこそ一人前か…)


(私はまだ何もわかっていない…悠久の事も、外の世界の事も…)


何かを見出した少年と、大きな壁の前に立たされた少年。彼らのこれからの懸命な働きが王と…やがて姫君となる小さな少女の支えとなるか障害となるか誰も知らない――――


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