狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

ⅩⅣ―ⅳ 残り二ヵ国Ⅳ



「…してキュリオ様、聞きましたぞ。再調査の結果、この子が悠久の者である可能性が絶たれてしまったそうですな。」


神妙な面持ちで告げるガーラントだが、キュリオの反応はあっさりしたものだった。


「ああ、この国での調査は今後一切不要さ。残り二ヵ国の返事をもってこの件は完結するだろうからな」


「左様でしたか…ということはすでに二つの国から返答があったということですかな?」


「そういうことだ。もっとも可能性の低い二ヵ国からの回答があった」


すると、さらに真顔になったガーラントは声を低くしキュリオに告げる。


「キュリオ様、まもなく使者が到着いたしますぞ。先程アレスたちが悠久の門をくぐったと知らせが入りましたゆえ…」


「…そうか」


心を決めたように頷いたキュリオの視線の先には穏やかに眠るアオイの姿があった――――



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