狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅤ―ⅰ 冥王の返事Ⅰ
『…カイ、君は少し勉強したほうがいいよ。あとで教えてあげる』
『わ、わりぃ…』
恥ずかしそうに頭をかくカイは、ブラストの背を見ながら彼の声に耳を傾ける。そして、彼の報告と今日一日あった衝撃の出来事を照らしあわせるように思い返していた。さらにブラストの報告は続く。
「それと…冥王の姿を見たわけではありませんが、我々が死の国の門を叩く前に彼が待ち伏せしているような形で出くわしてしまい…アレスが心を読まれました」
ドキリとしたアレスが顔をあげると、ガーラントが驚いたようにこちらを見つめている。一方キュリオは表情を変えぬままブラストに先を促した。
「続けなさい」
「はっ!
その後、キュリオ様の書簡に目を通さぬままに冥王より返答がありました」
「…なに?それは本当か」
そこまで話すと、目を見開いたキュリオは身を乗り出すように食いついてきた。