狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅤ―ⅷ 予想外の結末Ⅳ
颯爽と歩くキュリオの後ろをついていくガーラント。互いに言葉を発することなく歩いて行くとあっというまに彼の自室へとたどり着いた。そして彼は軽々と扉を押しのけるとそのまま中へと入って行く。
まず目に入ったのはベッドの傍でにこやかに微笑む侍女の姿。
「おかえりなさいませキュリオ様」
恭しく一礼し、一歩下がった彼女に頷くキュリオ。
「ありがとう。急にすまなかったね」
そう言いながら幼子の眠るベッドに近づき、結局…出生不明となってしまった可愛いアオイの顔を覗こうとキュリオは片膝をついた。
「お昼寝はもういいのかい?」
すでに眠りから覚めていた小さなプリンセスは愛らしい瞳を瞬かせ、己の顔を覗きこむ美しい銀髪の王の顔をじっと見つめると声をあげた。
「…んぅ…」
(…おや?)
眠り足りないのか、おなかがすいたのか…珍しくぐずるような言葉を発している。普段の彼女は滅多にぐずらないため、ようやく甘えてくれるようになったとほっとしている自分がいる。
「おいでアオイ」