狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅤ―ⅹ 悠久の王の愛を一身に受ける娘
背後に控えていたガーラントはその様子を目尻を下げて見つめている。
(とうとうキュリオ様の愛を一身に受ける特別な女子(おなご)が現れおったか。いやはや…若いにこしたことはないが、生まれたての赤子とはのぉ…ほぉっほぉっ)
彼に想いを寄せる女性の数は把握しきれないほどにいるが、相手が赤子なら醜い嫉妬や悪意に晒(さら)される事もないだろう。ガーラントは幸せそうなキュリオの顔を見ながら、やっと彼の心からの笑顔を見た気がしたのだった。