狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅦ―ⅶ 紅蓮の王・ティーダⅠ
侍女の運んできた二杯目の紅茶に口をつけたカイは、思い出したように勢いよく顔をあげガーラントに質問を投げつけた。
「…っじぃさん!そういえばさ…っ」
「ん?なんじゃ?」
おっとりと答えたガーラントは元気のありあまる小さな剣士のへと視線をうつした。
「ヴァンパイアの王の二つ名ってなんなんだ?」
「あ…そういえば教官に聞くの忘れてた…」
あの時は色々ありすぎて後回しになってしまった質問だった。アレスも再度姿勢を正しガーラントへと向き直る。
「ヴァンパイアの王の二つ名は<紅蓮の王>じゃよ。彼の瞳は紅の色をしておるでな。他のヴァンパイアは氷のように冷たい青い色をしてるからのぉ、すぐにわかるはずじゃ」
「確かに…門番の二人も凍りつくような冷たい青い色をしていました。先生、その二つ名についてですが…それぞれの王の能力を意味しているというのは間違いないと見てよろしいでしょうか?」
「うむ。それで間違いないじゃろうな」
「じゃあさ、<紅蓮の王>って何を意味してるんだ?」
頷いたガーラントにカイが食いつく。