狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

ⅩⅧ―ⅱ 初めての痛みⅡ


キュリオは瞳を揺らし、アオイを見つめる。それでも彼女は"なんでもないよ"と言いたげな表情を浮かべ笑みを深めた。


「優しい子だね、お前は…」

きゅっと小さな体を抱きしめ、右手で彼女の手を包み込むように握りしめる。



―――サァー…



一瞬にして光の粒子が手元に集まり、ふたりの間を輝きが走り抜けた。光りが消え去ったのを確認したキュリオは包んでいた手のひらを広げ…彼女の指先に目を向けた。


「もう大丈夫だ、本当にすまない。アオイが痛みを覚えるにはまだ早すぎる…」


「……」


両手でアオイを抱きしめるキュリオの腕に、無言のままそっと顔を寄せるアオイ。そのような仕草はまるで彼の言葉を理解している大人のような行動だった。






そして幼い彼女は心の中で呟いた。







―――――私が悪いの、ごめんなさい…―――――



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