狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅩ―ⅲ 夢に殺される少女と夢を支配する王Ⅲ
???"(…だ、れ…?…)"
しかし目を閉じていてもわかる…少女はこの光に覚えがあった。
やがてうっすらと開いた少女の瞳。
そして彼女の瞳には金髪の青年の姿がうつしだされた。
???"(…また会えるなんて…)"
???"(…夢を見ているみたい…)"
幸せそうに微笑んだ少女の瞳から涙が零れおちる。
どうやら彼女は誰かと勘違いしているようだ。
『……』
???"(…もう私は死んでいるのです)"
???"(…最後に貴方に会えただけで…)"
『…死者は夢など見ぬ…』
???"(…もういいんです…)"
安らかな笑顔を見せる少女。
しかし…
『…もうひとり中に誰かいるな…』
青年の射抜くような眼差しに"もうひとり"は応えた。
"まだ…死にたくない…"
弱々しい…幼い声が響いた。