狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅩⅠ―ⅴ 共に悠久へ…
キュリオは光の精霊と水の精霊に見送られ、精霊の国の門までやってきた。その移動の最中、片時もアオイから目を離すことなく―――。
「君たちにとても感謝している…無礼な私を許してほしい…」
深く頭を下げるキュリオに首を小さく振った二人の精霊。
『…ご安心を。悠久の王…』
変わらず言葉少なく光の精霊が頷く。
『…滅相もございません。どうぞこれからも我が王をよろしくお願い申し上げます』
一礼した気の優しい水の精霊はエクシスと唯一交友関係にある、この悠久の王をとても頼りにしている。そしてそんな様子の二人にキュリオは…
「もちろんだよ…」
と穏やかに微笑んだ。
「ありがとう…エクシス…」
明け始めた精霊の国の夜空にもう一度…感謝の言葉を呟いたキュリオの声はエクシスの元にも届いていた。