狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅩⅡ―ⅵ 狂い始めた歯車Ⅵ
湯殿から上がり着替えたキュリオは、だいぶ良くなってきたアオイの体の強張りを確かめている。
「うん、もう少しだな…」
「無理に体を動かしてはいけないよ?アオイ」
「きゃあっ」
キュリオに撫でられる感触がくすぐったいのか、先程正直に心の内を話したから許してくれたのか…アオイはいつものように頬を染めて笑っている。
「ふふっ
お前は時々…私の言葉が理解できているんじゃないかって思う時があるよ」
「…?」
こうして語りかければ、必ず反応がある。
もしかしたらキュリオの表情を見てある程度は判断しているのかもしれないが、今はそれで十分過ぎるほどに幸せだ…と思っていた。
「でもね…」
「…私は少々欲深いようだ」
「こうして満たされたと思っても…すぐにアオイを求めてしまう…」
にわかに目付きが変わったキュリオ。