狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅩⅡ―ⅸ 狂い始めた歯車Ⅸ
「でも、アオイはまだ体が本調子じゃないからね。今はゆっくり体を休める事が一番だ」
アオイを腕に抱いたまま、キュリオはベッドに横になった。すると…美しい銀色の髪がシーツに広がる。その上に小さな彼女の体が乗っているのだが、そんなことをキュリオは少しも気にしていない。
鼻が触れてしまいそうな程に顔を近づけ、キラキラしたアオイの瞳を見ていると…静かな湖面のように心が安らいでいくのがわかる。
「やはり…お前と二人きりがいい…」
「…アオイはこんな私の事をどう思っているんだろうね…」
(…嫌われてしまう…だろうか…)
アオイのぬくもりに安堵するキュリオは、急速に眠気に襲われていく。そして…まるで彼女の眼差しに癒されるようにキュリオはゆっくり眠りに落ちて行った―――