狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅩⅢ―ⅳ エデン・後悔の念Ⅲ
「ねぇアオイ…どうして目をそらすんだい?私が怖い…?」
「……」
アオイは視線を彷徨わせたまま言葉を発しない。そして…徐々に小さな体を抱くキュリオの手に力がこもり始める。すると、驚いたアオイは不安と戸惑いに大きな瞳に涙を浮かべた…。
「…ひっく…」
「…っ!!」
彼女の涙に目を見開いたキュリオは、自分を責めるように眉間に皺をよせた。
「…私はまた…すまない…」
小さな体を優しく抱きしめ、労わるように彼女の濡れた目元に口付けを落とす。さらに謝罪の言葉を囁こうとすると…
『キュリオ様、おやすみのところ失礼いたします』
扉の向こう側からかかる家臣の声。キュリオは視線だけをそちらへうつし…
「…何の用だ…」
家臣に続きを促すよう言葉を発した。
『はっ!エデン王がお見えになってます。いかがなさいますか?』
「わかった…すぐ行こう」