狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅩⅢ―ⅷ キュリオの恋わずらい?Ⅱ
「これは…自覚がないのか、鈍感なのかわからんな。キュリオ殿、気になる彼女の笑顔が好きかどうか考えればいいんだよ」
エデンの声に顔を上げたキュリオはなるほど、と口を開いた。
「…とても愛しいと思っている。それどころか…彼女を独占したいと願ってしまう心を止められないんだ…」
己の気持ちに悩んでいるのかと思っていたが、あまりにもはっきりしたキュリオの想いにエデンは目を丸くしている。
「なんだそれは…もう答えは出ているようなものだろう?…で、何を聞きたいと…?」
「私が悩んでいるのは…この気持ちが彼女を苦しめているのではないか…と思ってね…」
「…ふむ…」
視線を下げて気落ちしたようなキュリオの様子にエデンは笑みを消し、真剣に彼の言葉に耳を傾ける。
「私自身、初めての感情だ…正直どうしたらいいか気持ちを持て余している部分があるんだよ」
「話を聞くに相手は小娘か?それも恋愛経験があまりないような…」
「よくわかったね…その通りさ」
目を丸くしているキュリオだが、どう見ても互いに戸惑っているような…そんなイメージがひしひしと伝わってくる。