狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅩⅥ―ⅱ <革命の王>エデンⅡ
そしてそのままの足取りで広間へとすすむと食事の用意を始めた家臣たちが恭しく一礼する。エデンは白銀の鎧を脱ぎ、軽めの上着に袖を通すと…座り慣れた彼専用の椅子へと腰を落ち着けた。
「エデン様…姫様の様子はいかがでしたか?」
ワインを注ぎにきた一人の男が心配そうに話しかけてきた。
「……」
だが、エデンは何もしゃべらない。彼の沈黙から、良い状態ではないことは一目瞭然だった。
「…失礼いたしました」
すべてを察しは彼は申し訳なさそうに頭を下げ、奥へと消えて行く。
エデンは注がれたワインに目を向けると皮肉めいた口調で呟いた。
「何が<革命の王>だ…」
「ひとりの女の運命も変えられないこの俺が…」