狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
ⅩⅩⅥ―ⅶ 眠れぬ夜に語らうのは…Ⅰ
「…やはり眠れないかい?」
二人で見つめ合いながら横になっているキュリオとアオイ。
先ほどから目の前の幼子は瞬きを繰り返し、いっこうに眠る気配がない。
「お前の体が本調子に戻ったら…皆に紹介したいと思ってるんだが」
「すでに知っている者たちのほうが多いかもしれないな」
ふふっと楽しそうに笑ったキュリオは、彼女を娘として紹介出来る喜びに胸を躍らせている。
(いつか大きくなったアオイと手と手を取り合い…中庭を散歩し、昼下りのテラスで彼女を腕に抱き…昼寝をしてみたい…)
「私はお前の寝顔見たさに…寝たふりをすることもあるだろうね」
「……」
キュリオの話に黙って耳を傾けているアオイ。
「そうだな…ディナーのドレスはなるべく肌の露出が少ないほうがいい…」
そう言いながらキュリオは、彼女の頬にかかる髪の毛を優しく指先で退ける。