狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
1.1ねん1くみ銀髪せんせい
副担任(推定31歳):「姫様が銀髪せんせいの言う事しか聞いてくれなくて…」
銀髪せんせい(推定546歳):「ふふっ、そんなところも愛しいと思うよ…ほんとうに僕の姫は可愛いなぁ…はっはっは!」
(…ひめ?…ひめってだれのこと…?)
藤色のドレスを纏った優等生うぃすたりあ(推定29歳)は、レース付きの真っ白な答案用紙を片手に巨大な悠久の城をどこまでも歩いている。彼女の表情は暗く、何かに憑りつかれたように…繰り返しうわごとを呟いていた。
「…銀髪せんせいが言っていた姫は…どこにいる、の…」
「…私からせんせいを奪うなんて…ゆるせない…」
―――コツコツ…
すると…人の足音が近づき、脇の通路へ己の身を隠したうぃすたりあ。
(…あれは…副担任(推定31歳)だわ…)
うぃすたりあは副担任に気づかれぬよう気配を消しながら彼女のあとをつけていく。
やがて…
歩みを進めていくと…通路の至る所に張り紙があることに違和感を覚えた。
(…なにこれ…)
墨で書き殴られたような荒々しい筆跡。