狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXI―ⅵ 獲物Ⅵ
すると…
バタバタと扉の向こう側から人の足音が聞こえ始め、愛しい彼女の名を叫ぶ悠久の王の声が響いた。
『アオイッ!!』
「…っ!!」
彼の声に大きく目を見開いて扉を振り返ったアオイ。
そのキラキラした彼女の眼差しには、キュリオに対する大きな安堵感と強い信頼の意が込められていた。
「……」
その嬉しそうなアオイの表情に、チクリと痛んだ青年の心…。
そして彼は小さくため息をつくと…
「…もう来やがったか」
アオイを抱きしめる腕に力を込めると…赤黒い彼のオーラが次第に色濃く現れはじめたのだった―――