狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXI―ⅸ ティーダとアオイ・ひとつの運命の歯車Ⅲ
「こうなるのはお前のせいじゃない。遥か昔から決まってる事だ」
「だから…そんな顔するな」
アオイの悲しげな表情にティーダはどうしたらよいかわからず…彼女の頬に己の頬を寄せた。
やがてポロポロと零れたアオイの涙。
「泣くなよ…」
アオイの泣き顔にチクリと痛んだ胸の奥…。
そして…
扉の外から聞こえてきた足音がいよいよ間近に迫り…
殺気立った悠久の王の気配がどんどん大きくなっていく。
彼とてティーダの気配にすでに気が付き…臨戦態勢であることは明らかだった―――