狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXⅣ カイとアレスの武器
さすがは手練れのロイ。仕事に入るとおっとりした気質一転、ガラリと変わった彼の雰囲気。
幼子の細部に渡り隅々まで調べ上げていく。
すると、少し離れた場所でその様子を見守っていたキュリオの元に新たな職人の到着を知らせる声が届いた。
「キュリオ様、鍛冶屋(スィデラス)のダルド様がお着きになりました」
「そうか、ご苦労。すぐ行こう」
ロイの邪魔をせぬよう、キュリオはそっと部屋を後にした。
―――…
そして鍛冶屋(スィデラス)が待つ城の入り口まで赴くと…白銀の長髪で風を受けながら、中庭のほうをじっと見つめている人型聖獣の姿を見つける。
「急にすまなかったねダルド。よく来てくれた」