狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXⅣ―ⅳ カイとアレスの武器Ⅳ
「……」
(…いつ見ても不思議な光景だ)
キュリオがダルドの手元を覗き込むと、開かれた魔道書の片面に魔方陣のようなものが描かれているのが見えた。そしてその中心に描かれているのは、間違いなく剣である。
すると彼は羽ペンを取り出し、魔方陣が一部途切れている部分へダルドは己の名前を入れていく。そして欄外へ書き足された鉱物の名称。
「…キュリオ王、ここに彼直筆のサインが必要になります」
ダルドが指差した先を見つめると、輝き始めた陣の一部にわずかな空白があるのが見える。
「わかった。ではカイの元へ行こうか」