狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXⅣ―ⅸ カイとアレスの武器ⅸ
『執務室に…?』
『か、かしこまりました』
どうやらお咎めではないらしい。それどころか、おそらく今後のカイの身の在り方についてだろうことはブラストにも予想は出来た。
「…王、そろそろよろしいですか?時間が押してるように思いますが…」
チラリとカイを睨んだダルドは、まだ納得していないようで気を荒立てているのは明らかだった。
しかし、彼の手元を見れば…光輝くページは開かれたままで、その手にはしっかり羽ペンが握りしめられている。その様子を目にし、優しくふっと笑ったキュリオは気高い人型霊獣の彼へ礼を述べる。
「ありがとうダルド、恩に着るよ」
「…いいえ…」
キュリオの頼みでなければカイなど本来、門前払いに合うところだ。彼はそれぐらい未熟で、礼儀もないっていないのだ。
「カイ、これから君だけの武器を彼に創ってもらおう。ここへサインをくれないか?」
キュリオの言葉と同時に、ズイッと押し付けられたダルドの魔道書。