狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】

XXXⅤ―ⅳ キュリオとダルドの出会いⅣ



「…っ!!…き、君も僕と同じなの…っ!?」



驚きに目を見開いたダルドは、やっと会えたかもしれない自分と同じ人型聖獣の彼の腕を震える手で掴んだ。



「あぁ、同じさ。私たちはこの悠久に住むかけがいのない仲間だ」



「なか…ま…?」



久しく耳にするダルドを受け入れてくれた優しいその言葉は、彼の氷ついた心をゆっくり解かしてくれるような魔法の言葉だった。



そして、解けだした氷の一部が瞳から熱い涙となり…ダルドの頬を濡らしていく…



「…ぅっ…」



肩を震わせ泣き出したダルド。



「……」



(…怯えた瞳に、時折見られるこの戸惑いは…)



その姿を目にしたキュリオは、ボロボロになった彼の心や境遇が読み取れ…胸の奥が締め付けるように痛んだ。



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