狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXⅥ―ⅲ キュリオとダルドの出会いⅢ
「あぁ、ご苦労。私たちは大丈夫だ」
「はっ!!追いつくのが遅くなり大変申し訳…」
と、頭を下げようとした家臣はキュリオの足元に散らばった無残な矢を目にし、忌々しそうに顔を歪める。
「…王に刃を向けるなど何たる重罪っ…!!」
その矢を証拠の品として袋に収めていく彼は、縛り上げられた彼らを強く睨みつけ…キュリオに一礼し、勢いよく身を翻した。
そして状況が飲み込めない猟師(キニゴス)のほとんどが茫然と立ち尽くす中、次々と縄をかけられ捉えられていく。
「…ね、ねぇ…キュリオ…」
戸惑い、瞳を揺らすダルドは上目使いで彼の名を呼んだ。
「さぁ、私たちも行こうか」
ダルドの言葉を遮るようにキュリオは言葉を発したのだった―――