狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXⅥ―ⅴ キュリオとダルドの出会いⅤ
ダルドの言葉に微笑み、頷いたキュリオ。
そして恐らく王である彼の手に導かれ、横抱きにされたダルドの体はゆっくり上昇しはじめる。
こうして幸運にもキュリオに救いの手を伸ばされ、新たな人生を歩む事になった人型聖獣のダルド。
(キュリオ…この悠久の王様…)
身を以て彼の優しさに触れたダルドはこの時からキュリオを尊敬し、絶対の忠誠を誓う友人であり腹心となる。
「…?」
あまりにもじっと見つめてくる銀の瞳に気づいたキュリオは、思いついたように言葉を発した。
「そう言えば…君の名をまだ聞いていなかったね。教えてくれるかな?」