狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
XXXⅥ―ⅵ キュリオとダルドの出会いⅥ
「…僕はダルド、銀狐(シルバーフォックス)だった」
「ダルド…いい名前だ。私は必ず君の力になる。いつでも頼って欲しい」
慈悲にあふれたキュリオの眼差しに、またダルドの目頭が熱くなる。
「…っありがとう、キュリオ…」
偉大な王の胸の中、心を開いた人型聖獣がひとり。
「…ぼ、僕も必ずキュリオの力になる…」
そして彼が鍛冶屋(スィデラス)となりその才能を開花させるのは…これからそう遠くない未来の話である―――