狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆アオイの適職?そのⅩⅩⅦ
「そんな事をする必要はない…少しばかり記憶を戻してしまえばいい話だ」
そう吐き捨てた自称・アランの言葉が何を意味するのかアオイにはおおよその検討がついてしまった。
(アラン先生まさか…)
「…っアラン先生…!」
不安そうに胸元を抑え、アランの傍に駆け寄ろうとしたアオイ。
途端にセンスイの手に腕を掴まれてしまい、それ以上進むことが出来ない。
「センスイ先生…」
はっとしてセンスイを振り返ったアオイ。
「…行ってはいけません」
断固としてアオイの行動を阻止しようとする彼の瞳にアオイの疑問が残る。
(センスイ先生…何か知っているの?)
「記憶を戻された後…君がそうしていられるか見ものだな」
「…っ…」
「記憶どうこうって何の話?」
ミキやシュウたちが戸惑いに顔を見合わせている。しかし…
「説明する必要などない」
アランは表情ひとつ変えることなく彼らを一瞥する。
するとそれが合図かのように…光の粒子が彼の身のまわりを漂いはじめた。
「アラン先生綺麗…」
聖人を思わせる桁違いな美貌が光に包まれていく様を生徒たちはうっとりした眼差しで魅入っていた―――