狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆アオイの適職?そのⅩⅩⅨ
そして…隣りにいるセンスイを見上げ、
「ありがとうございました…センスイ先生」
「アオイさん?」
不思議そうに首を傾げているセンスイは、アオイに礼を言われる理由がわかっていない様子だった。
(これでいいんだ…)
ほんの少し前までこの肩を抱き…腕を掴んでくれた彼の優しい手。
(私が好きなのはお父様だけだもの…)
「いえ、何でもありません」
笑みを浮かべながらセンスイへと一礼し、アランの元へと駆け寄っていくアオイ。
「アラン先生、私たちと一緒に下のカフェでお昼いかがですか?」
「……」
陽気に振舞うアオイの横顔を無言で見つめているセンスイ。
そしてそっと呟かれた思いがけない彼の一言。
「これがあなたの為になるのなら…今はそういうことにしておきましょう」