狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆アオイの適職?そのLXⅨ
「うちの学園は基本、教師として採用される一年前に募集は締め切っているのよぅ?」
「…で?」
そっけない態度を見せるアランに次第に焦りの色を滲ませていく三人の女教師。
「でって…っ!だ~かぁらぁっ!!そこから時間をかけてさらに人数は減らされていくのぉ!!」
「そうですよっ!新入生の入学願書が締め切られたあとに採用された先生なんて、センスイ先生とアラン先生だけなんですからね!?」
「あ…でも…」
他の二人の話を聞き、口を噤んだ国語の教師。
「入学願書ギリギリに提出してきた子いたじゃない?えっとぉ…誰だったかしら?」
「あー…あの珍しい毛色の…アオイさんだっけ?」
「……」
アランが無言のまま眉間に深い皺を寄せていく。
「そーそー。うちの学園ってすごく人気が高いからぁ、募集が始まったと同時に大半が集まっちゃうって話なんだけどぉ…締切り時間直前に走ってきた子がいるって話題になってたわよねぇ」
「うんうん、その直後だっけ?センスイ先生がうちの門叩いたの」
「その通りですわ。教師の枠もいっぱいだからってお断りしようとしたらしいんだけど…急に採用が決まっていた先生ひとりと連絡がとれなくなって、センスイ先生の教師としての能力も人格も群を抜いて素晴らしいって事で急遽内定が決まったのですわ」
(アオイに学園への入学を懇願され…なかなか許す事が出来なかった私のせいで、願書の届け出が遅れたのは紛れもない事実だ)
(…その直後に彼が現れた…?そして採用が決まっていた教師と連絡がとれなくなり、奴が教師として…)
(これは偶然ではない…?)