狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
Ⅴ―ⅶ 穏やかな朝をもう一度
薄く目を開いたキュリオは指先で血色のよい彼女の頬をなで、見つめ合うように微睡(まどろ)み、この幸せな時間を継続させる事ができる…ひとつの可能性を願った。
「お前が悠久以外の民ならばあるいは…」
もし悠久の中に親がいないとわかれば、早急に他国へと調査協力を要請しなくてはならない。
(生命が長いといえば…精霊かヴァンパイアか、冥界か・・・)
キュリオは複雑な想いでため息をつきながら彼女の後ろに久しく顔を合せていない数人の王の顔を浮かべるのだった――