狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆アオイの適職?そのLXXⅥ
「そんな、大げさです…っ!!」
「……」
じっと見つめられ、委縮してしまったアオイ。しかし、そのセンスイの懇願するような視線に耐えられず…
「…わ、わかりました…」
明らかに自分より優れている者に対して、こんな生意気言っていいんだろうか…と内心葛藤していたアオイだが、やがて口を開いた。
「…先生、何か大きなものを抱えている気がしました。それが原因かどうかわかりませんが、自分を押し殺しているような印象を受けて…」
以前、※"鳥の王様"に言われた事がある。
"俺もキュリオも、ただ素質があったってだけで…なりたかったものは他にあるかもしれないぜ?"
※シークレットストーリー参照ですごめんなさい。
(やっぱり…王様って"犠牲"なのかな…)
なりたくてなったわけではないのに、王になったから多くの事を諦めろ、だなんて…それがあまりにもひどい事のような気がして、アオイがずっと答えを見出せずにいる事柄のひとつだった。
「…私は心から望んで今の私となりました。センスイとして生きている事に不満はありませんが、不安はあります」
「不満がないのに不安があるんですか?」
「…えぇ。私もアオイさんに聞きたい事があったんです。よろしければお聞かせ願えますか?」
「は、はいっ…もちろんです」
姿勢を正したアオイは緊張をほぐすようにカップへと口を付けた。それに合わせるようにセンスイもミルクを一口飲み…
「人は…生まれ変わっても同じ方と結ばれる運命なのでしょうか?」