狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆アオイの適職?そのLXXXⅢ
(センスイ先生の運命を変えるために…彼とひとつの未来を夢見る…)
センスイの言葉を深く理解しようと口の中で呟いたアオイだったが…ふと違和感が残った。
「…夢?…」
思わず声を上げたアオイに首を傾げるセンスイ。
「夢がどうかいたしましたか?」
優しい笑みを浮かべ、アオイの頬を愛おしそうに撫でるセンスイ。
「先生…もし、それで夢から覚めたら…私たちはどうなるんですか?」
まさかアオイの口からそのような言葉が出てくるとは思ってもいなかったセンスイは…
「…現実を目の当たりにして愕然とする…そのようなシナリオを想像させてしまいましたか?」
するとアオイは戸惑いながら言葉を発する。
「…いいえ、実はもうすでに夢の中にいるんじゃないかって思って…」
「おもしろい発想ですね。それは貴方の…?それとも私のですか?」
「そう言われるとわからないんですが…私、学園に入る以前の記憶が曖昧で…」
「慌てて願書を届けに来た日の事も覚えていませんか?」
「それは…覚えています」
照れくさそうに小さく笑ったアオイを眩しそうに見つめるセンスイ。
「それでもまだ夢の中にいるような感じなのですか?」
「…はい、なんだか記憶が断片的で…」
うーん、と首をひねっているアオイにセンスイが近づく。
「では…この美しい姫君を…」
「私が眠りから覚まさせて差し上げましょう」
彼のかたちの良い唇が薄く開き、アオイの唇を割って深く…深く重ねられた。
「…っ!」
驚きにさらに口を開いてしまった彼女の体は、センスイの腕に強く抱きしめられ…角度を変えて何度も、熱く、情熱的な口付けが与えられるのだった―――