狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆アオイの適職?そのLXXXⅧ
「こんなところで何をしている…マダラ」
「あれー、言わなかったっけ?夢と冥界って密接なつながりがあるんだよ?つまりー…」
「…貴方が冥王マダラ殿ですか」
冥王の顔を記憶に刻もうと、マダラを凝視しているセンスイ。そして彼の視線に気づいたマダラは…
「ずっと見てたけど…君って不思議だよねぇ…」
意味深な言葉を呟いたマダラだが、学園の崩壊はすすみ、彼ら足元は暗闇に染まりつつあった。
「んー、思ったより時間がないみたいだ」
呑気にあたりを見回す冥王にキュリオが問う。
「…時間がないとはどういう意味だ?」
「さっきも言ったけど…ここは夢。これを構成している四人のうち、この夢が気に入らない人物が目覚めようとしてるって事」
「…この夢が気に入らない人物?…まさか…」
ベッドに横たわったまま、悲しみの表情を浮かべているアオイの瞳は固く閉じられ、まったく起きる気配はない。
「んー…僕はそろそろ戻るよ。夢が分離しそうな気がするからね」
ひらひらと手を振りながら、あっという間に闇とともに姿を消してしまったマダラ。
「…分離?」
訝しげな表情でアオイを抱き上げたキュリオは、一度学園から離れようと翼を広げたが…
「…これが夢とは…」
完全に闇へと染まったその空間から逃げ出せず…センスイとともに暗闇の底へと沈んでいったのだった―――