狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
Ⅴ―ⅸ 疑惑
「はぁーっ
早い者勝ちであの子に着せる服が決まりましたの!!
早起きしたかいがありましたわっっ!!」
鼻歌を歌いながら今度はその服とダンスをしている。
「ま、まぁ…キュリオ様がお咎めになるとは思わないが…ほどほどに、な…」
「はぁーいっ」
なんとも言い難い会話を二人が交わしている頃、ここ最近の出生状況を確認していた数人の家臣たちがやってきた。
「大臣殿、昨日保護された赤子の件ですが…」
「おぉ!早いな。で、どうだった?」
「……」
その言葉に振り返った大臣は、家臣からの報告を聞き終わると…驚きの表情を隠せずに沈黙した。
「…いかがなさいますか?」
心配そうに声をかけてきた家臣にはっとする大臣。
そしてようやく口を開いた彼は、とりあえずもう一度見落としがないか確認するよう指示を出す。