狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆キュリオの願望?そのⅠ
―――そして再び夢の中…。早朝、5時半にもなろうかという頃―――
「姫様が子供のままなら学園に行く必要もなかったって事だよなっ!?」
そう声を荒立てたのは他でもない剣士のカイだった。
「それもあるけど…アオイ様が外への興味が沸くのはお年頃っていうのもあるのではないだろうか…」
「だぁかぁらぁああっ!!それって俺が言ったことと同じじゃないのかよ!?」
「カイが言ってるのは見た目の話じゃないのか?私が言いたいのは精神面での話だよ」
二人譲らぬ押し問答をしていると…
「なんじゃお主ら?こんな時間に何を騒いでおる」
奥の部屋から顔を出したガーラントが杖の音を響かせながら歩いてきた。
「おはようございます先生、良いところにおいでくださいました」
「大魔導師のじぃさんこっちこっち!!」
カイは立ち上がり、右手を振りながら同じテーブルにつくよう促した。
「うむ?二人して朝っぱらから何を話しておったんじゃ?」
見事な顎鬚をなで、アレスとカイの顔を見比べているガーラント。
「実は…アオイ様の勉学についてですが、どうにか城での学習に切り替える手立てはありませんか?」
「…む?なぜじゃ?」
「それは…なぁ?」
言いにくそうにアレスの顔を見やったカイ。そして頷いているアレス。