狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆キュリオの願望?そのⅢ
心穏やかに目を覚ましたキュリオは、あの一件からまた共に眠るようになった愛娘のアオイの髪を撫でながら優しく微笑んでいた。
(アオイが再びこうして私の腕の中で眠っている…何も不思議ではない。これが本来あるべき姿だ)
眠っている彼女をそっと抱きしめれば無意識にキュリオの胸元へと顔を埋め、身を寄せてくるアオイがたまらなく愛しい。
(いつの間にこんなに大きくなってしまったのだろう。つい最近まで赤子だったはずなのに…)
どこに行くにでもキュリオに抱かれ、食事も、湯浴みでさえも彼の腕の中ですべてを済ませてしまい、離れている必要などどこにもなかった。
「君が成長するたびにその瞳にうつすものがあまりにも増えすぎて、私などもうその目に入らなくなってしまったのかと思っていたよ…」
幾分、肌蹴てしまったアオイの真っ白な胸元。体つきも女性らしくなり、疑う事を知らぬその愛らしい笑顔は見る者を惹きつけてやまないのだ。
「私の瞳が君だけをうつすように、君の瞳に私だけをうつしてもらいたいと願うのは私の我儘なのかい…?」