狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
Ⅴ―ⅹ 疑惑
「かしこまりました」
頭を下げ、その場から退出する彼らを見送ったあと大臣は城の最上階にあるキュリオの部屋へと急いだ。
”悠久の民ではないかもしれない…?”
"はい、ここ最近生まれた赤子で所在が不明な者はおりません。人攫い・迷子の届け出もなく、いまのところ該当者なしです"
(…他国の民が悠久の地へ子供を置き去りにしたと?)
先程のやりとりを思い出しながら、大臣はキュリオの部屋の前で勢いよく立ち止まり顔をあげる。重厚で美しい扉はかたく閉じられ、彼がまだ眠っているであろうことは明らかだった。
彼がもってきた報告は朗報か悲報か…
それはキュリオにしかわからないものだった――――