狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆キュリオの願望?そのLXⅧ
幼いキュリオがアオイとの仲直り方法を模索している頃、セシエルの胸の中でひとりの少女が思い悩んでいる様子がうかがえる。
(せめてお父様がご自分の未来を選択できるように…伝えなきゃいけない…)
「あの、セシエル様…キュリオ様のところに行ってもよろしいでしょうか?」
「…その事だが」
「アオイさんをキュリオの教育係から外そうと思っている」
「え?どう…して…」
「彼はまだ君から学ぶ以前に、他人を思いやる心に欠けているようでね…」
「それは…」
「アオイさんにはつらい思いをさせてしまった。どうか許して欲しい」
頭を下げたセシエルの銀髪がサラリと床を撫でる。
「そんな…っ…顔を上げてくださいセシエル様!!私は大丈夫ですから!」
一国の王に頭を下げさせるなど、あってはならない事だ。そして彼がここまでしてくれるのも…アオイを特別視しているからだということがよくわかった。
「ありがとう、君が優しい人でよかった…時間はかかるかもしれないが、もう少しだけお付き合い願えるだろうか?」
「セシエル様…」
アオイの中でセシエルの思いと自分の気持ちが大きく葛藤する。
ぎゅっと握りしめられた手を見つめながら、アオイは意を決して顔を上げた。
「セシエル様…っわたし…!!」
すると…
―――コンコン
扉をノックする音が響き、二人の視線は部屋の入口へと注がれる。
「…はいれ」
(もしかして…お父様…)
(せめてお父様がご自分の未来を選択できるように…伝えなきゃいけない…)
「あの、セシエル様…キュリオ様のところに行ってもよろしいでしょうか?」
「…その事だが」
「アオイさんをキュリオの教育係から外そうと思っている」
「え?どう…して…」
「彼はまだ君から学ぶ以前に、他人を思いやる心に欠けているようでね…」
「それは…」
「アオイさんにはつらい思いをさせてしまった。どうか許して欲しい」
頭を下げたセシエルの銀髪がサラリと床を撫でる。
「そんな…っ…顔を上げてくださいセシエル様!!私は大丈夫ですから!」
一国の王に頭を下げさせるなど、あってはならない事だ。そして彼がここまでしてくれるのも…アオイを特別視しているからだということがよくわかった。
「ありがとう、君が優しい人でよかった…時間はかかるかもしれないが、もう少しだけお付き合い願えるだろうか?」
「セシエル様…」
アオイの中でセシエルの思いと自分の気持ちが大きく葛藤する。
ぎゅっと握りしめられた手を見つめながら、アオイは意を決して顔を上げた。
「セシエル様…っわたし…!!」
すると…
―――コンコン
扉をノックする音が響き、二人の視線は部屋の入口へと注がれる。
「…はいれ」
(もしかして…お父様…)