狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆キュリオの願望?そのLXXⅠ
と、前方から声もかけずこちらに向かってくる少年の姿を視界にとらえた。
「…っ!おと…っ…キュリオ様!」
「アオイ…?」
(まさか私を探して…)
わずかな期待に胸を高鳴らせたキュリオだが、先程自分がひどい言葉を浴びせてしまった事を思い出し、視線を泳がせた。
「…文句があるなら聞いてやる。わ、わたしも悪かったとおも…」
「キュリオ様…っ!いいんです、謝らないでください!」
言葉が終わる前にアオイの言葉が重なり、跪いた彼女の優しい香りと温もりがキュリオを包んだ。
「な、なっ…なにをするっ!?」
キュリオの声は裏返り、見開かれた瞳の大きさから彼の心情が見て取れる。それどころか嫌がる素振りを微塵も見せることなく、体は大人しくアオイに抱き着かれたままになっていた。
「まただ…どうもお前といると調子が狂う……」
「…いつもいきなりでごめんなさい…」
キュリオを抱きしめていた彼女の腕が緩み、彼の顔がよく見える位置まで距離をとるアオイ。
「べ、べつに…今に始まったことではないだろう。私のベッドで眠っていた事に比べれば…大したことではない」
視線を逸らしながらそういうキュリオだが、耳まで真っ赤になっているのがたまらなく可愛い。
「ありがとうございます…」
浮かない顔で懸命に笑みを浮かべようとする彼女に、違和感を覚えたキュリオは眉をひそめた。
「…私が苦手か?」
わずかに傷ついた表情をのぞかせたキュリオにアオイは首を振って答えた。
「大好きです…だって貴方は私の…」
とまで言いかけて、アオイは口を噤んでしまった。
「え?大好きってお前…」
「…っ!おと…っ…キュリオ様!」
「アオイ…?」
(まさか私を探して…)
わずかな期待に胸を高鳴らせたキュリオだが、先程自分がひどい言葉を浴びせてしまった事を思い出し、視線を泳がせた。
「…文句があるなら聞いてやる。わ、わたしも悪かったとおも…」
「キュリオ様…っ!いいんです、謝らないでください!」
言葉が終わる前にアオイの言葉が重なり、跪いた彼女の優しい香りと温もりがキュリオを包んだ。
「な、なっ…なにをするっ!?」
キュリオの声は裏返り、見開かれた瞳の大きさから彼の心情が見て取れる。それどころか嫌がる素振りを微塵も見せることなく、体は大人しくアオイに抱き着かれたままになっていた。
「まただ…どうもお前といると調子が狂う……」
「…いつもいきなりでごめんなさい…」
キュリオを抱きしめていた彼女の腕が緩み、彼の顔がよく見える位置まで距離をとるアオイ。
「べ、べつに…今に始まったことではないだろう。私のベッドで眠っていた事に比べれば…大したことではない」
視線を逸らしながらそういうキュリオだが、耳まで真っ赤になっているのがたまらなく可愛い。
「ありがとうございます…」
浮かない顔で懸命に笑みを浮かべようとする彼女に、違和感を覚えたキュリオは眉をひそめた。
「…私が苦手か?」
わずかに傷ついた表情をのぞかせたキュリオにアオイは首を振って答えた。
「大好きです…だって貴方は私の…」
とまで言いかけて、アオイは口を噤んでしまった。
「え?大好きってお前…」