狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
✿ショートストーリー☆キュリオの願望?そのLXXⅢ
未来の長身を誇るキュリオならばいざ知らず、現時点のキュリオでは東屋に腰掛けるのはままならないらしい。
背伸びした彼は勢いよく腰掛場へ飛び乗り、向きを変えて腰をおろすとアオイを隣りへ座るよう促した。
すると小さく頷き、拳ひとつほどの距離をあけて腰を落ち着けたアオイ。
(何も変わっていない…)
大理石(マーブル)で作られたこの東屋はいつもひんやりとした清涼感を纏い、時折降り注ぐ強い日差しからもそこに居る者を守り、自然の持つ安らぎを惜しむことなく与え続けてくれる。
(…本当に久しぶりのような気がする)
アオイはツーと指先で大理石(マーブル)の感触を確かめてみる。