狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
その4
「いやぁ、いつもすみませんアラン先生。本来なら私も協力すべきところなのに…」
「いえ…私が勝手にしていることですから、お気になさらずに」
担任の教師が教室入り口の飾り付けを終えて、室内へと戻ってきた。
アランはさほど気にした様子もなく軽く挨拶を済ませている。
そして男物の衣装を手にしたアオイを見た担任教師は…
「ん…お前も頂いたらどうだ?…ってアオイはもしかしてシュウを待っているのかな?」
ニヤニヤと意味深な笑みを向けてきた彼にアオイは驚いて否定した。
「先生っ!!ち、ちが…っ…」
と言いかけると…
「…違いますよ」
なぜか即答したのはアランだった。そしてアオイの心を代弁するかのように口を開いた。
「一刻も早く愛する家族のもとへ…と、はやる心が彼女を急がせてしまっているんです」
「……」
(お父様…すごく当たっている、ものすごく当たっているけれど…)
「なるほど!そういう事か!!お前のような娘を持った父親は本当に幸せだなっ!俺はまだ結婚していないが、こんな娘が欲しいもんだっ!!!」
担任教師が笑いながらアオイの頭を強めに撫でる。もちろん生徒可愛さでそのような行動に出たのだが…
―――パシッ…
乾いた音が響く。
「…つまらない御冗談を…」
眼鏡の奥に光るアランの瞳が笑っていない。
彼の手がアオイを撫でる教師の手を払ったのだ―――。
「いえ…私が勝手にしていることですから、お気になさらずに」
担任の教師が教室入り口の飾り付けを終えて、室内へと戻ってきた。
アランはさほど気にした様子もなく軽く挨拶を済ませている。
そして男物の衣装を手にしたアオイを見た担任教師は…
「ん…お前も頂いたらどうだ?…ってアオイはもしかしてシュウを待っているのかな?」
ニヤニヤと意味深な笑みを向けてきた彼にアオイは驚いて否定した。
「先生っ!!ち、ちが…っ…」
と言いかけると…
「…違いますよ」
なぜか即答したのはアランだった。そしてアオイの心を代弁するかのように口を開いた。
「一刻も早く愛する家族のもとへ…と、はやる心が彼女を急がせてしまっているんです」
「……」
(お父様…すごく当たっている、ものすごく当たっているけれど…)
「なるほど!そういう事か!!お前のような娘を持った父親は本当に幸せだなっ!俺はまだ結婚していないが、こんな娘が欲しいもんだっ!!!」
担任教師が笑いながらアオイの頭を強めに撫でる。もちろん生徒可愛さでそのような行動に出たのだが…
―――パシッ…
乾いた音が響く。
「…つまらない御冗談を…」
眼鏡の奥に光るアランの瞳が笑っていない。
彼の手がアオイを撫でる教師の手を払ったのだ―――。