狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
その7
『わ…わたしもっ…』
『うん?』
『わたしも…寂しかった…っ…』
キュリオの首に回された彼女の腕が小さく震えている。
恐らく、この言葉…キュリオはもちろん、女官や侍女、カイやアレスにも打ち明けていないのだろう。
『そうか…』
キュリオは優しくアオイの背を抱きながら彼女の言葉に聞き入っている。
『でも…私のために無理しないでくださいお父様…。お仕事の場所、すごく遠いのでしょう?』
腕がゆるみ、わずかに顔を離したアオイが申し訳なさそうに言葉を紡いだ。
『ふふっ…無理などしていないさ。もし、アオイに逢うなと言われたら…それこそ聞けない願いだと私は言いたい』
疲れなど微塵も感じさせないキュリオの笑顔。
しかしその笑顔さえ、アオイから与えられる愛によるものだと彼は自覚している。
『お前と離れていること事態…私には苦痛以外のなにものでもないのだから…』
―――しかし、子供の好奇心というものはいつの時代も抑えられないものなのだろう。
年頃になった彼女は学園生活に憧れ、キュリオの腕の中から飛び出してしまった。
とたんに広がるアオイの世界。
今まで、彼女の世界には必要最低限の登場人物しか存在していないはずだった。
そしてアオイと触れ合う機会が減少するにつれ、徐々に不満を募らせていったキュリオ。
彼にとってその場所が学園であろうとなかろうと…アオイを腕の中に閉じ込めておきたい気持ちに何ら変わりはないのだ。
彼女の"本来あるべき場所を温室"と例えた彼だが、その言葉を肯定したアオイの言葉が嬉しくないわけがない。
思わず気を緩めてしまったアオイが我に返る。
「あ、あの…っ、アラン先生…人の目がありますので……」
「構うものか…」
そう呟いたまま、アランの唇が目元を伝い…頬に降りてくる。
「い、いけませんっ!アラン先生っ!!」
『うん?』
『わたしも…寂しかった…っ…』
キュリオの首に回された彼女の腕が小さく震えている。
恐らく、この言葉…キュリオはもちろん、女官や侍女、カイやアレスにも打ち明けていないのだろう。
『そうか…』
キュリオは優しくアオイの背を抱きながら彼女の言葉に聞き入っている。
『でも…私のために無理しないでくださいお父様…。お仕事の場所、すごく遠いのでしょう?』
腕がゆるみ、わずかに顔を離したアオイが申し訳なさそうに言葉を紡いだ。
『ふふっ…無理などしていないさ。もし、アオイに逢うなと言われたら…それこそ聞けない願いだと私は言いたい』
疲れなど微塵も感じさせないキュリオの笑顔。
しかしその笑顔さえ、アオイから与えられる愛によるものだと彼は自覚している。
『お前と離れていること事態…私には苦痛以外のなにものでもないのだから…』
―――しかし、子供の好奇心というものはいつの時代も抑えられないものなのだろう。
年頃になった彼女は学園生活に憧れ、キュリオの腕の中から飛び出してしまった。
とたんに広がるアオイの世界。
今まで、彼女の世界には必要最低限の登場人物しか存在していないはずだった。
そしてアオイと触れ合う機会が減少するにつれ、徐々に不満を募らせていったキュリオ。
彼にとってその場所が学園であろうとなかろうと…アオイを腕の中に閉じ込めておきたい気持ちに何ら変わりはないのだ。
彼女の"本来あるべき場所を温室"と例えた彼だが、その言葉を肯定したアオイの言葉が嬉しくないわけがない。
思わず気を緩めてしまったアオイが我に返る。
「あ、あの…っ、アラン先生…人の目がありますので……」
「構うものか…」
そう呟いたまま、アランの唇が目元を伝い…頬に降りてくる。
「い、いけませんっ!アラン先生っ!!」