狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
その8
すると扉が開いて…
「アラン先生はこちらにおいでですか?」
才知あふれる青年の声。
聞き覚えのあるアランとアオイは思わず動きをとめた。
「…アレスか」
アオイの後方、教室の入り口を見ると黒髪の魔導師・アレスが一礼し、入室してくるのが見える。
「…だ、誰あれ…すっごいイケメンなんだけどっっ!!」
「あの恰好…先生じゃないよね…もしかして…」
「魔導師様じゃないっ!?光弾の打ち上げに来て下さるっていう!!」
「…っ…」
一瞬、生徒たちのざわつきにアオイはビクリと肩を震わせたが、彼女らの発言をよく聞いてみるとそれはアランとの事言われたからではないらしいと気付き安堵のため息をもらす。
幸い、事の一部始終はアランの背に遮られ生徒たちの目に入っていなかったようだ。
「よかった…」
(最近アラン先生の挙動が以前にも増しておかしくなってきてしまったわ…お城に帰ったらもう少し親子としての時間をとったほうがいいのかもしれない)
アオイは沸き上がる不安な気持ちを押さえながらアランの綺麗な横顔を見つめた。
「…来たかアレス」
立ち上がったアランの右手はしっかりアオイの腕を掴んでおり、さらりと作業から離れさせようとしているのがわかる。
「キュリオ様、アオイ姫様…お疲れ様でございます。アレス参上致しました」
目の前にいる麗しい二人の主(あるじ)にのみ聞こえるよう挨拶を届けたアレス。
キュリオは小さく頷き、アオイは微笑みながら彼に近寄る。
「やっぱりアレスも来てくれたのね、前夜祭よろしくお願いします」
「はいアオイ様、こちらこそ精一杯務めさせていただきます」
ニコニコと見つめ合う二人の空気がとても柔らかい。
強い信頼から成り立っているアオイとアレスは本当の兄と妹のような関係にあるからだった。
「アラン先生はこちらにおいでですか?」
才知あふれる青年の声。
聞き覚えのあるアランとアオイは思わず動きをとめた。
「…アレスか」
アオイの後方、教室の入り口を見ると黒髪の魔導師・アレスが一礼し、入室してくるのが見える。
「…だ、誰あれ…すっごいイケメンなんだけどっっ!!」
「あの恰好…先生じゃないよね…もしかして…」
「魔導師様じゃないっ!?光弾の打ち上げに来て下さるっていう!!」
「…っ…」
一瞬、生徒たちのざわつきにアオイはビクリと肩を震わせたが、彼女らの発言をよく聞いてみるとそれはアランとの事言われたからではないらしいと気付き安堵のため息をもらす。
幸い、事の一部始終はアランの背に遮られ生徒たちの目に入っていなかったようだ。
「よかった…」
(最近アラン先生の挙動が以前にも増しておかしくなってきてしまったわ…お城に帰ったらもう少し親子としての時間をとったほうがいいのかもしれない)
アオイは沸き上がる不安な気持ちを押さえながらアランの綺麗な横顔を見つめた。
「…来たかアレス」
立ち上がったアランの右手はしっかりアオイの腕を掴んでおり、さらりと作業から離れさせようとしているのがわかる。
「キュリオ様、アオイ姫様…お疲れ様でございます。アレス参上致しました」
目の前にいる麗しい二人の主(あるじ)にのみ聞こえるよう挨拶を届けたアレス。
キュリオは小さく頷き、アオイは微笑みながら彼に近寄る。
「やっぱりアレスも来てくれたのね、前夜祭よろしくお願いします」
「はいアオイ様、こちらこそ精一杯務めさせていただきます」
ニコニコと見つめ合う二人の空気がとても柔らかい。
強い信頼から成り立っているアオイとアレスは本当の兄と妹のような関係にあるからだった。