狂気の王と永遠の愛(接吻)を 【第一部 センスイ編収録版】
その13
「シュウ!もう少し右いけるか?」
「ん?あぁ、おっけーおっけー、っと。こんなもんか?」
シュウはでかでかと掲げられた看板の位置を微調整しながら、真下にいるクラスメイトの反応を伺う。
「ばっちりだぜっ!!」
「じゃあ降りるからな」
「助かるぜシュウ!サンキュウなっ!!」
「いいっていいって」
玄関口の上方、とても人が登れるような場所にない高い位置にシュウは居た。
人間離れしたその身体能力に誰もが感嘆のため息をつく。
やがて音もなく着地した彼に小さな拍手さえ沸き起こった。
「お前絶対クラブ入ったほういいって!!」
「だぜっ!シュウさえいれば球技も陸上も負けなしなのによ!!」
鼻息荒くシュウの手を握って熱弁する彼らに対し…
「あー俺パス。家の手伝いとか色々あっからさ…」
目を逸らしながら言葉を濁した。
「じゃ、じゃあ助っ人として試合に出るくらいならいいだろっっ!?」
「無理だって…俺、ルールとかわかんねぇし…」
「っんなのすぐ覚えられるからよぉおおっっっ!!」
泣いて縋られ、困り果てたシュウ。助けを求めるように辺りを見回した彼は、校庭から歩いてくる複数の人影の中に気になる存在を見つけたようだ。
(あれ…アオイ…?なんでこんなとこに…)
そして明らかにその集団の中でひとり、こちらを凝視している人物がいる。
「ん?あぁ、おっけーおっけー、っと。こんなもんか?」
シュウはでかでかと掲げられた看板の位置を微調整しながら、真下にいるクラスメイトの反応を伺う。
「ばっちりだぜっ!!」
「じゃあ降りるからな」
「助かるぜシュウ!サンキュウなっ!!」
「いいっていいって」
玄関口の上方、とても人が登れるような場所にない高い位置にシュウは居た。
人間離れしたその身体能力に誰もが感嘆のため息をつく。
やがて音もなく着地した彼に小さな拍手さえ沸き起こった。
「お前絶対クラブ入ったほういいって!!」
「だぜっ!シュウさえいれば球技も陸上も負けなしなのによ!!」
鼻息荒くシュウの手を握って熱弁する彼らに対し…
「あー俺パス。家の手伝いとか色々あっからさ…」
目を逸らしながら言葉を濁した。
「じゃ、じゃあ助っ人として試合に出るくらいならいいだろっっ!?」
「無理だって…俺、ルールとかわかんねぇし…」
「っんなのすぐ覚えられるからよぉおおっっっ!!」
泣いて縋られ、困り果てたシュウ。助けを求めるように辺りを見回した彼は、校庭から歩いてくる複数の人影の中に気になる存在を見つけたようだ。
(あれ…アオイ…?なんでこんなとこに…)
そして明らかにその集団の中でひとり、こちらを凝視している人物がいる。